この記事の監修者

医療法人社団ウェルエイジング
ウィメンズヘルスクリニック東京

チーフ 糸井 麻美 (いとい あさみ)

2013年、クリニックに入職。入職時より女性の発毛治療と抗加齢医学を学び、カウンセラーとして患者さまからのお悩みをお聞きし、治療前の不安な気持ちに寄り添い、安心して治療を開始できるように心を尽くしてきた。
現在はウィメンズヘルスクリニック東京のチーフスタッフとして活躍中。患者さま一人ひとりに丁寧に向き合う診療を行うよう、スタッフに対して接遇向上や発毛治療に関する知識の強化を図るとともに、患者さまが心地よく過ごせる雰囲気づくり等にリーダーとして注力している。

薄毛治療の強い味方であるミノキシジルは、元々男性向けのものでしたが、女性にも効果があるとされています。ただし、女性がミノキシジルを使う場合には、いくつかの注意が必要です。

ここでは、ミノキシジルの効果と副作用について解説していきましょう。

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ミノキシジルとは?

ミノキシジルは薬の名前ではなく、成分の名前になります。発毛・抜け毛の進行予防の効果があるとされており、ミノキシジルを配合した育毛剤などの外用薬が市販されています。

ミノキシジルは、元々は血圧降下剤としてアメリカで誕生しました。ところが、ミノキシジルを使っているうちに、「頭髪が太くなった」「薄毛が改善された」という報告が相次ぎ、発毛効果があるとわかったのです。そこで、アメリカでの臨床試験により有用性が確認されて、1980年代にミノキシジル配合の発毛剤が開発されました。

日本では、厚生労働省の承認を得ており、「リアップ」「リアップリジェンヌ」(ともに大正製薬)として販売されています。また、専門クリニックでは、ミノキシジルを配合した治療薬を扱っているところもあります。

女性がミノキシジルを使っても大丈夫!

ミノキシジルはAGA(男性型脱毛症)の治療薬として、おもに男性向けとして使われてきました。ミノキシジルは女性が使っても大丈夫なのでしょうか?結論からいえば、女性の薄毛治療に、外用薬としてミノキシジルを使うことに問題はありません。2017年に日本皮膚科学会で発表された「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」によれば、ミノキシジルの外用薬は「発毛効果に関して、高い水準の根拠がある」とされており、「推奨度A」と最高レベルにランクされています。

ミノキシジルは、髪の毛を作り、育てることを担っている「毛包」の細胞を活性化させる効果があるとされています。また、当初血圧を下げる目的で作られたので、頭皮の血流が改善の可能性があります。

ミノキシジルを女性が使うときの注意点

ミノキシジルを女性が使う場合には、注意すべき点がいくつかあります。

市販されている女性向けミノキシジルは濃度1%

ミノキシジル配合の発毛剤には、ミノキシジルの濃度が1%、5%、15%など、複数のタイプがあります。

現在、市場に出回っている発毛剤のミノキシジル濃度は、男性向けが5%、女性向けが1%になります。少しでも早く薄毛を改善したいという女性は、「男性向けのほうが効果が高いのでは?」と思いがちですが、濃度が高まるとかゆみや炎症などの副作用の危険も高まります。

日本皮膚科学会でも、比較試験の結果を踏まえて、男性型には濃度5%、女性型脱毛症には濃度1%のミノキシジルを外用するよう、強くすすめるとしています。

薄毛治療は長く続けることが第一です。早く結果を出そうとして副作用が表れてしまったら、治療そのものが続けられなくなってしまいます。女性の薄毛・脱毛には、ミノキシジル濃度1%の発毛剤を使用しましょう。

原因によってはミノキシジルの使用を避ける

女性の薄毛・脱毛にはさまざまな原因が考えられます。例えば、妊娠・出産などのホルモンバランスの変動によって起こるもの、急激なダイエットで起こるもの、甲状腺疾患などの病気によって起こるものがあります。これらの要因で起こる薄毛・脱毛に対しては、ミノキシジル配合薬の製造元である大正製薬では「使用しないでください」とアナウンスしています。

クリニックでの治療であれば医師が診察してくれます。まずは、カウンセリングを受けることで、自身の頭皮と頭髪の状態を把握することができます。選択可能な治療法を知るだけでも意味がありますので、検討してみてはいかがでしょうか。

ミノキシジルはどれくらい効果がある?

薄毛に悩む女性にとって一番気になるのは、「本当に髪が増えるの?」「どれほど効果があるの?」という点でしょう。

大正製薬では、ミノキシジル1%配合の「リアップリジェンヌ」と、ミノキシジルをまったく含まないプラセボ(偽薬)を使った比較試験の結果を公表しています。いずれも6ヵ月間使用した場合ですが、ミノキシジルは毛髪の増加数で5倍以上、さらに「太い毛髪」に限っても4倍増加していることがわかります。

薄毛・脱毛クリニックでは、一人ひとりの髪と頭皮の状態を丁寧に調べ、最適な治療メニューを組み立てます。外用薬にしてもミノキシジルを中心に、その人に合った物を処方するというオーダーメイド治療です。ミノキシジルは目に見える結果が出るまで時間がかかりますので、地道に使い続けることが大事です。

ミノキシジルの副作用は?

どんな薬にも副作用があるように、ミノキシジルにも副作用があります。

使用する前に、ミノキシジルの副作用を確認しておきましょう。

初期脱毛

ミノキシジルを使用することで、初期脱毛の可能性があります。初期脱毛とは、眠っていた毛根が活動し始め、新生した毛髪に押し出されるように髪が抜け落ちる現象です。これは、薬の作用によって毛髪のサイクルが前倒しされて、抜け毛が増えているからであり、毛根が活発に活動し始めたサインともいえます。

頭皮の発疹・発赤

皮膚が炎症することで、頭皮が発疹、発赤することがあります。また、かゆみやかぶれが起きたり、フケが出たりすることがあります。

動悸、頭痛、だるさ

動悸、頭痛、だるさは、血管が拡張されることによって起こる副作用です。ミノキシジルの使用中に、血圧が下がる可能性があります。ミノキシジルを外用薬として使用する分には、それほど影響が出ないはずですが、高血圧、低血圧である場合は、慎重に使用する必要があります。

実際にどのような副作用が表れるのかは個人差があり、はっきりしたことはいえません。ですが、こうした副作用があることを理解し、その上でミノキシジルを使うかどうか、判断することが大切です。専門クリニックでミノキシジルを処方してもらう場合は、用法・用量や副作用について、医師から十分な説明を受けるようにしましょう。

ミノキシジルで焦らずにケアを

女性にとって髪の悩みは、男性以上に深刻でしょう。女性の薄毛・脱毛対策は、ミノキシジルを中心に進めることになります。

ミノキシジルの外用薬は発毛効果があるとされていますが、医師と相談をしながら焦らずにケアを続けていきましょう。

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